高齢者の体の特徴

2024年08月10日

高齢者では加齢によって身体のさまざまな機能が低下してきます。各器官によって機能低下に特徴があり、また、同じ年齢であっても機能低下の程度には個人差が大きいです。

筋肉の加齢変化

筋パワーは加齢によって直線的に低下し上半身に比べて下半身の低下が大きい

 加齢によって太もも、お腹、上腕で筋断面積が減少します。これは筋線維の衰えと筋線維数の減少によって起こります。筋線維の種類では、遅筋線維よりも速筋線維がより衰えやすいです。そのため、筋肉の加齢変化のうえからも高齢者では速い動きや強い力は発揮しにくくなります。

 高齢者における持久的トレーニング(ジョギング、ウォーキングなど)は遅筋線維の維持に効果がありますが、持久的トレーニングだけでは速筋線維の衰えを防止できません。しかし、高齢者の筋力トレーニングは速筋線維を増大させる効果が認められています。

骨・関節の加齢変化 

 骨・関節の加齢変化として、関節軟骨は徐々に変性し摩耗してきます。摩耗が著しくなると疼痛、骨の変形、可動域制限を生じるようになり、ひどくなると変形性関節症となります。骨量は加齢によって減少し、特に閉経後の女性では減少しやすいです。骨量が減少すると骨粗鬆症となり、骨折を起こしやすくなります。

 骨量の維持や改善には、栄養やホルモン分泌以外に、重力に耐える筋力を鍛えることが重要で、日常の身体活動量の多い人ほど骨密度が高い傾向にあります。

関連記事